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2009年05月 アーカイブ

2009年05月26日

F1レースの情報から、取材旅のエピソードも報告します。

今シーズンから多くのトップアスリートが集うスポーツコミュニティーサイト「アスポタ」に参加させてもらうことになりました。

モータースポーツの最高峰『F1グランプリ』は世界各地を転戦してチャンピオンシップを争う世界選手権です。そのため、別名“F1サーカス”とも呼ばれ、今シーズンも第1戦のオーストラリアGPから最終戦のアブダビGPまで、17戦16カ国を転戦します。

僕がこのF1GPの全レースを現地取材し、レース結果だけではなくその裏側にある人間ドラマをモータースポーツファン以外の人たちにも伝え始めて20年以上が経ちます。もともとは旅とか、どこか見知らぬ遠くへ行くことが、あまり好きなほうではありませんでした。ひとつ所に落ち着いて、それで適度な刺激があって、旺盛ではない自分なりの好奇心が、そこそこ満たされていれば、それで良かったのです。

それが、この20年以上F1を追いかけて変わりました。
平均2週間に一度開催されるレースを取材するため、世界各地を転戦。少しの着替えと取材道具一式をトランクに詰め、ホテルからホテルへ移動することが日常生活になっていったのです。

F1レースの情報から少し離れ、取材旅のエピソードなども報告しようと思っていますので、よろしくお付き合い下さい。

2009年05月31日

モナコGPはJ・バトンが今季5勝目を挙げました

モナコGPの取材、CSフジ721の現地中継解説を終えて、日本に戻ってきました。
今回は第5戦スペインGP~第6戦モナコGPと続く、今季初のヨーロッパ2戦の取材旅で、3週間ぶりの日本です。伝統のモナコGPをTV観戦された方も多いと思いますので、早速、レースレポートをお送りしましょう。

モナコGPには「二つのレース」があります。その両方に今年、J・バトン(ブラウンGP)は初めて勝ちました。土曜日の予選“タイムレース”で逆転PP(ポールポジション)、日曜日の決勝“260km/100分レース”で独走ウイン、10年のキャリアを持つ彼が二日間、二つのレースをパーフェクトに闘い抜いた週末でした。

もともと彼は、モナコが苦手ではないのですが、ドライビング・スタイルに合わない部分があって、ここではチームメイトに先行されるケースが多かった。今年は木曜日のフリー走行でいきなりガードレールをヒット、僕はこれが吉と出るか凶と出るか、非常に気になりました。フリー走行1のトップはチームメイトのR・バリチェロ、バトンは8位タイムがやっとで、今年最悪の滑り出しでした。

「バトンはスタイルを変えてきたな」――。
金曜日の休日後、フリー走行3をコースサイドで取材しながら、僕は“別人バトン”に気がつきました。この日の彼は、烈しくブレーキをロックさせ、リアタイヤのスライドを誘発させながらブラウン・メルセデスを振り回し、一段階、いや二段階くらいアグレッシブの度合いを上げてきたのです。高速コーナーでは美しいラインを描き、低速カーブでは縁石に乗り上げずに綺麗に回るバトンが、荒っぽく、男の中の男といった感じで“乱暴”な走りをし始めたのです。

言葉を誤解されると困るのですが、がモナコは“暴走気味”に攻めないとタイムは削れません。昔、A・セナが真剣にそう言ったのを、僕はいまでもはっきり記憶しています。予選Q1:1分15秒210(2位)、Q2:1分15秒016(8位)、Q3:1分14秒902(1位)。よく見て欲しい。彼のタイムはどんどん削られ、Q2最速のK・ライコネン(フェラーリ)を逆転し、PPを手中にしたのです。1000分の25秒差で負けたライコネンは悔しさを隠すために、いつもの無表情を装っていましたが、この晩、パドックから帰るときはファンを無視してスクーターでぶっ飛ばして消えて行きました。白バイ先導などを断って・・・。

日曜日の決勝78周、260kmショートレースは予選と真逆で“暴走”は禁物。アグレッシブではいけない。コーシャス(慎重)でなければならない。これもモナコ5連覇王のセナが残した記憶に残る一言です。果たしてバトンは、土曜日のスタイルを変えて日曜日にアジャストできるのか、僕はその一点に集中しながらTV画面と、プールサイドの走りを放送席から見つめました。

決勝レースに要した時間、1時間40分44秒282を皆さんはとても長く感じたことでしょう。
しかし、バトンはこの約100分間をひたすらひとつのプレー、作業をやり通したのです。
以前僕は、一度オンボードカメラ目線でスタートからゴールまで、セナの78周VTRを家のソファに座ったまま“バーチャル体感”しようと試みたことがあります。5周もすると視線が外れ、そこで“クラッシュ”。気合を入れて再スタート、今度は中盤でトイレに行きたくなって耐えられずに“オトイレ・ピットイン”。そこで考え、少しVTRをスロー再生にし、セナほど速くなくてもいいから“完走狙い”に気持ちを切り替えてみました。が、ペースを落とすと落とした分だけリズムがおかしくなってしまい、集中心が保てなくなってしまいました。

僕が何を言いたいかお分かりでしょう。人間が、スポーツに限らずパーフェクトに約100分間の連続作業を持続するのは<神業>に近い。しかし、それをただ眺めているだけの人々には、その<神業>も退屈なものに見えてしまうということ。

モナコの勝利で、今季通算6戦5勝としたバトン。しかも、バーレーンからスペイン、モナコと続く3戦を同一エンジンのまま3連勝。これは、近代F1では驚くべき記録と言わざるを得ない。パワード・バイ・メルセデスのモナコ神話、98年からの12年間で通算7勝と、またその記録を伸ばしたのです。

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