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F1が分裂の危機に!?

こんにちは、今宮です。

今日はF1世界選手権に参戦しているフェラーリやトヨタら有力8チームからなるチーム協会(FOTA)が、国際自動車連盟(FIA)の来季予算制限案に反対し、独自の選手権を設立すると発表した問題で、世界最高峰のモータースポーツF1が分裂の危機を迎えている「2010年エントリー問題」について書いてみます。

この対立問題は、一見複雑でも、もとをたどればとてもシンプル、解決方法はすぐそこにあります。

そもそもFIAのいう年間チーム予算制限案、バジェットキャップ(ファイナンシャル・レギュレーション)は、スポーツ競争原理の点から矛盾している考え方であるうえ、「来シーズンから各チームの年間予算を10分の1に削減せよ」と強制するのは、現存するチームに対し大幅な人員解雇を求め、一般社会で起きているのと同様にF1にも「雇用問題」が起こることは目に見えています。そのため、メーカーチームがナーバスにならざるをえないのは、誰が考えても明らかなことです。

また、スポーツ公認団体とはいえ、他人の財布の中をのぞく権利が許されるかのかどうか。そうした問題も含んでいる点に加え、もし実行された場合は、各チームが予算制限を守っているかどうかを取り締まる会計監査もしなければならないでしょうし、その点からも現実性の乏しい案といわざるをえません。

それに、チームにバジェットキャップを命じるなら、その前にFIAも、FOMも“コスト削減”し、例えば現在の開催権料も10分の1に制限をするなどの改革を行なえば、ファンはもっと気軽に(安い料金で)このスポーツを楽しむことができるようになるという点も、忘れてはならないと思います。そうした自己改革を抜きにした今回の抗争は、はっきり言えばファンを全く無視した、権利を独占しようとする側と拒む側のケンカで、そこに数々の極端なレギュレーション変更を絡めた“政争”なのです。
 
では、この問題をどう終決させたらいいか。僕はFIAとFISA(国際自動車スポーツ連盟:下記参照)を以前のように分けるべきだと思っています。スポーツ権利組織はFISAがすべて治めて管轄し、その最高責任者は兼任ではなく、別の人間が務める。マックス・モズリーFIA会長の長期独裁政権の弊害がいっきに噴出したいま、これくらい思い切った改革が僕は必要だと思っています。

その上で、自動車メーカー側はいったんエンジンサプライヤーの立場になり、F1コンストラクターとは新たなスタンスを取って、チーム運営面で実効的なコスト削減を求めていけば、長期安定継続路線が図れることで、社内重役会でも参戦意義が認められ易くなるでしょう。もちろん新規チームにも門戸を開き、かつてのように10数チームが予備予選から競い合っていくようなF1スポーツを目指し、「新規FISA」が数年スパンで再構築に取り組んで行けば、ファンにとってはいま以上にエキサイティングなモータースポーツとなり、参戦チームにとっても自動車メーカーにとっても、F1参戦はより意義のある取り組みになるはずです。

※FISA(国際自動車スポーツ連盟)
国際自動車連盟(FIA)の中でモータースポーツ関係を統轄し、競技車両の規格決定、審査、競技会の運営などを行っていた機関。1904年設立。1993年、FIA内の世界モータースポーツ評議会に業務を移行し解散。

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