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20年以上通っていても、やっぱりイギリスは美味しくない!?

いまやF1最北端GPレース開催地となったシルバーストーン。ロンドンから北へM40高速で1時間半、田園地帯にある。今年は開催60周年でもあり、来年はドニントンへ移る予定なので金曜から8万5000人、土曜10万5000人、日曜12万人、合計31万人が詰め掛けた。モータースポーツのウインブドンと思ってください。最近15年では最高の入りで、90年代に地元ナイジェル・マンセルがセナやプロストと争った時代にはもっと入ったが久々の満員にびっくり。僕は“目安”としてトイレの行列の長さで観客数を読む。日曜は男子トイレですら100mの長さ(!)、女子はその何倍も渦を巻いて繋がって心配になったくらい。当然、オバサマF1ファンも多く、J・バトンが日本系のガールフレンドと付き合っていることは皆さんよくご存知、ゴシップやスキャンダルに敏感なのがこの国の紳士、淑女たちなのだ。

シルバーストーンへは、もう20年以上通っているがメシはまったく“進化”がない。ホットドッグや、ハンバーガーにしても素材の味がまったくしない。塩味のまるでないソーセージなんて考えられますか?(どうやって保存するの・・)。最近「イギリスは美味い!」みたいな本が出回っているが僕は全否定する。そりゃあロンドンとかごくごく一部の店にグルメジャーナリストとしての発見はあるかもしれないが、もっと正直に失敗談を書かねばジャーナリストではない。

食に期待してはいけないこの国で、信じていいのは中国人がまじめにやっている中華料理屋くらいだろう(インド・レストランも裏切られることが多いので要注意)。
シルバーストーン近くのなじみの中華屋のマダムが言っていた。「私たちも北京から来て苦労しました。味をどんどん薄く、盛り付けを華やかにすればするほど、お客さんが来るようになりましたよ」と。日頃の鬱憤がたまっていたのかオーダーした料理はどれも本格こってり味で、カレーライスをまったく日本風にして出してくれたのには驚いた。

地元スーパーに買出しに行った。ホテルではなくアパートに泊まっていたので自炊ができる。惣菜の味付けを適当にやり直して食事をしながらゴールデンタイムにやっているTV料理番組を見て驚いた。昔の「料理の鉄人」どころか、「SMAP☓SMAPスマ・スマ」の足元にも到底およばない陳腐なものばかり。値段だけ高いモノを何十年も食べているから、いまのFIA会長さんみたいな突飛な人物も出来上がるのだろうか。テレビを見ながらそんな気持ちになった。

人間は味覚によって育ち、酸いも甘いも知って、人格が形成されていく。いまこそイギリスはもっともっと美味くならないと、大英帝国の遺産を食い潰しかねないことになる(それにしてもここ2,3年でUSA並みに肥満人が猛烈に増加しているのには驚くばかりだ)。

もはやこの国には古きよき生粋の英国車ブランドも走っていない。今回借りたレンタカーはKIAのソウルという全く未知の韓国車種だった。いまも1967年型モーリス・ミニ・クーパーS(MK1)を大切に保存している僕としては、毎年イギリスGPに行くたびに暗澹たる思いになるのがとてもつらい。

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