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2009年08月 アーカイブ

2009年08月01日

ハンガリーGP“マッサ重傷事故”を検証しておこう

激動の夏7月だった。刻一刻と急転するさまざまな政治的な動き、M・モズレイFIA会長の不出馬宣言、後任にフェラーリの元チーム代表J・トッド氏を推薦、そして彼の“出馬決意”。さらに新コンコルド協定最終検討などが相次ぐ中、<予測不能>な事態が起こった。ハンガリーGPで起こったフェラーリのF・マッサ重傷事故によって、何と引退した元王者のミハエル・シューマッハの復帰が現実のものなったのだ。こうした一連の動きは、何が起きても不思議ではないF1というスポーツのバイブレーションそのものと言える。

まずは、ハンガリーGPで起こったマッサ重大事故から多角的に検証してみよう。話はさかのぼる。7月19日、ヘンリー・サーティース選手(元F1世界王者ジョン・サーティース氏の息子)の死亡事故が起きた。イギリスのブランズハッチで行われたFIA・F2選手権第2レース、僕はヨーロッパにいてユーロスポーツTV中継で目撃した。前のマシンがクラッシュし、タイヤが外れ飛ぶシーンまではあえて言うが“よくありえること”だった。が、一部サスペンション部品がついたままその“物体”が恐怖のタイミングで後続走行中の彼のヘルメットを斜め上方向から直撃した。詳細は省くが彼は絶命したままでウイリアムズ製のF2マシンはコース上を滑走していき、タイヤバリヤーに激突、悲惨極まりない事故であった。

このF2はM・モズレイ会長が昨年提言した安価なニューフォーミュラレースで、関係者からは「そんな値段で出来るのか?」と言われたもので、ウイリアムズが一手にシャシー製作を請け負って今年スタートしたばかりだった。しかしあまりにも簡単にタイヤが外れるのがTV画面に映った瞬間、僕は“タイヤ脱落防止対策”がコストダウンのために装備されていないのではと感じた(後に関係者は否定)。F1もF2、GP2もドライバーは頭部むき出しのオープンコクピットにおさまり、競技用基準を満たしたヘルメットでガードされている(レーシングカートも同じだ)。94年に元世界王者のA・セナが事故死して後、コクピット周りのネックガードや頭部固定“HANS”装置などによって横方向、および前後方向からの衝撃に対して確かに安全性は向上した。しかし、サーティース選手の場合は斜め上方向から飛んでくる物体の大きな衝撃にはとても耐えられなかった。

ハンガリーGP土曜日予選Q2セッション、午後2時42分、マッサの事故は起きた。その瞬間、僕の脳裏に先週見たサーティース選手の恐怖シーンが蘇った。2回目の映像で何か20センチくらいの黒い“物体”が彼のマシン前方にチラッと映った。しかし超スロー映像ではない画面ではそれが何かまで特定することはできなかった。推測でいい加減なことをしゃべるべきではない重大な事態だと判断した僕は、情報を待った。が、国際画面は他の映像に切り替わってしまい、僕らは別のマッサ・オンボード画面に注目しようとしたがこれもフリーズし、すぐに切れた。そこで放送席からは遠い現場の4コーナーを目視しながら、立ち上がってピットや医務室や緊急ヘリの動きを確認し続けた。

事態は最悪に近い。だが人間マッサの尊厳にもかかわる状況にことさらあおるようなコメントは慎むべきだし、それでも生中継での「描写説明」はしなければいけなかった。その後、情報が入ってきてR・バリチェロのマシンから脱落したサスペンションパーツのスプリングを、マッサのマシンがすくい上げるかたちになって彼の左顔面を直撃したものだと判明した(頭蓋骨骨折などの重傷)。これはサーティース選手の事故も当てはまるが、あと数センチ上か横にずれていたら、その物体は車体をかすめただけで済んだと思われるだけに、何とも残念な思いの残る事故だった。

それにしても、こんな重要パーツが脱落したことをブラウン・チームとベテランのバリチェロは気付いていなかったのだろうか。普通、走行中のマシン状態は常にテレメトリーシステムによってピットで“監視”されているし、ドライバーもサスペンションに異常が発生し急に車高が落ちるなどすれば、すぐに察知できるはずだ(彼ほどのベテランならば)。だから、どこで、何が、どう壊れ、外れたのか、即刻、競技運営者やコースディレクターに伝えることは不可能ではなかったはずなのだ(いまはチーム側と彼らの間にメール通信回線もあるのだから)。そしてFIAも、重大事故発生に至った前後関係をすぐに調べると同時に、もう1台の同型マシンを管理下に置き、厳重に車体検査する必要があった。

もう一点、路上に異物が落下しているのをコースサイドにいたマーシャルは気付かなかったのだろうかという疑問も残る。僕は木曜日にコースに入ると、まずコースの下見から始めるのだが、現場地点は3コーナーから短い直線になっていてマーシャルポスト位置の間隔がかなり空いていたことを確認している。このコース脇での取材では、僕自身もたまに落下物に遭遇することもあるが、すぐにコースマーシャルが気付いて排除したり、イエローフラッグによって異物の存在を示すなどするので、大きな事故に発展した経験はない。それほどボランティアの彼らはよく働いてくれている。それを考えると今度の場合は、たまたまマーシャルポストの位置間隔が空いていたことが災いしたとも言えるのではないだろうか。

結論として、FIAはこの重大事故2件に対し、早急に事故調査委員会を設けるべきだと思う。そして速やかに調査結果を公表し、今後のために対策を検討するべきだ。このスポーツを管轄するFIAには競技中に死傷事故が起きた事実を深刻に受け止め、詳らかにする責任がある。
そう、FIA会長の椅子を巡って政争に明け暮れている場合ではない――。

さて、日曜日の決勝レースではルノーのF・アロンソのタイヤが外れる“インシシデント”があった。確かにあれはピットのタイヤ装着ミスで、これまでにも何度もあったことだ。アロンソは1コーナーですぐ異変を察知しスローダウン、自分のレースを全うするために自分の目で右前輪タイヤの状態を見ながら、可能な限りの徐行運転を続けた。しかしピットにたどり着く前にタイヤは“脱落”、一見するとサーティース事故に似ているようにも見えるが、本質はかなり違う。ところがレース後の審査委員会ではあれこれと理由を挙げ、既にリタイアしていたアロンソ・ルノーにきわめて重罪な「1戦出場停止処分」を下した。これは、いまだかつて聞いたことの無い類のペナルティーである。もしこの処分を受け入れると、接触などでウイングやタイヤを破損したマシンが停止せずに競技を続けようとしたら、“危険な走行続行”を理由に罰せられることになるからだ。

他にもいろいろ指摘したいことが多いハンガリーGPは、KERS勢のマクラーレン・メルセデスとフェラーリによる初めての旧2強チームの1-2ゴールで終わった。新2強のブラウンGPとレッドブルは、ブラウンGPのJ・バトンがやっと7位で、3位に入ったレッドブルのM・ウェバーに18,5ポイント差とまたまた縮められ、ポイント3位のレッドブル、S・ベッテルはリタイアしたものの23ポイント差でポイントトップのバトンを追う緊迫した展開となった。

それにしてもKERS勢のダッシュは昔のターボ時代を髣髴させる。加速力が大きく異なる集団が1コーナーに突進するから接触リスクは昨年などよりもきわめて高まり、現にニュルブルやこのハンガロリンクでもスタートで順位を落とした今回のベッテルのようなケースが見られた。
後半戦、ますます1コーナーまでの“チキンレース”が多発しそうだ。2年半ぶりに実戦に戻ってくる元世界王者のシューマッハも十分それには気付いていると思うのだが――。
 

2009年08月06日

満員御礼申し上げます

満員御礼申し上げます。

8月8日の「第9回クロストークイベント」は、おかげさまで全席ソールドアウトとなりました。スタッフ一同、心より御礼申し上げます。7月10日にエントリーを受付開始したところ、スタートダッシュすばやく二日間で100組以上のF1 LOVRRS皆様が申し込まれていままでよりも早くにフルグリッドになりました。今回間に合わなかった方々すいません、次の“第10回記念イベント”をお待ちください。

開催告知した時点で僕自身にもいくつかニュースが飛び出す予感はあったのですが、状況変動は非常に烈しく、今シーズンはこれから「揺れる2009年後半戦」に突入です。イベント当日までにまだ最新ビッグニュースがあるかもしれませんので、当日はトーク内容の変更もありえます、ご了承下さい。

レギュラーゲストBS社の浜島氏には、いま世界中が最も気になっている<シューマッハ復帰>に関する詳細情報トーク(?)などを語っていただく予定です。実はハンガリーGPで浜島氏と雑談中に、たまたまシューマッハ氏が通りかかったこともあり「ちょっと太ったね、ミハエルも」と彼のことを語り合ったばかりだったのですが、その時点ではまさかこんな事態になろうとは、ふたりとも想像すらしていませんでした。そういう意味では、まさにジャストタイミングの浜島情報となるでしょう。

なおイベント当日はいつものように軽食と飲み物の用意もありますが、元気の出る“おみやげドリク”が、参加者全員にもれなく用意されるようです。こちらもお楽しみに。
それでは盛夏の日、ホテル・フロラシオン青山でお会いしましょう。

今宮 純

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