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2010年08月 アーカイブ

2010年08月15日

大盛況! 第11回「トークイベント」参加お礼

8月8日(日)の第11回『今宮純クロストーク・ミーティング』はお陰様で大盛況に終わりました。全国各地より参加いただいた方々、またご協力いただいた関係者の皆さまに心よりお礼申し上げます。
今回は帰国中だった小林可夢偉選手も、初めて“サプライズゲスト”として駆けつけてくれ、率直でリアルな「生トーク」で満員(200名)の会場を沸かせてくれました。その模様は後日、紹介させてもらいますが、ちょっとだけ触れると、実際にレーススタート直前フォーメーションラップでドライバーは何をし、何を考え、実行しているのか、手と足と指の操作を舞台上で分りやすく説明してくれました。オーバーテイクの技、ライバルとのせめぎ合い、実名をバンバン挙げて会場内には驚きの声も(!)。
「完全オフレコ」、「ここだけの話」など参加者の質問(リクエスト?)に、時には真剣に、そしてユーモアたっぷりにきり返す彼のセンスや人柄に、終了後は「カムイ選手との距離が縮まってすごく親近感が持てました!」と皆さん感激してくれた様子でした。
イベント終了後も、サイン、握手、記念撮影と約束時間をオーバーしてファンサービスしてくれた可夢偉選手。「イマミヤサン、あれでOKでしたか。僕も楽しかったです、また日本に居たら参加させてください」と笑顔で約束してくれたことをお伝えしておきます。

レギュラーゲストのBS浜島さんには、1997年から14シーズンにわたるF1活動について、その思い出などを語っていただきました。
「短くかくて長かったです……」と目を潤ませながら話すその一言一言に場内はシーンと……。また、雑誌等では書かれていない今年のタイヤとドライビングの関係、M・シューマッハやS・ベッテルとのエピソードも披露、この日は「ツインリンクもてぎ」でF・ニッポンがありましたが、朝のウォーミングアップに立会い、そのまま汗だくで会場に直行してくれたのです。舞台上で小林選手と後半戦ベルギーGP以降について“生ミーティング”が始まり、それは控え室でもずっと続いていました。

――あらためて3時間もの間お付き合いいただき、ありがとうございました。また次は、シーズンオフに第12回を開催する予定です。
F1LOVERS皆さんの力によってこの手作りイベントは継続されていきます。よろしくお願いします。

真夏の2連戦パート1 第11戦ドイツGP「チームオーダー事件について」

49周目、6コーナー・ヘアピン立ち上がりで1位マッサがショーシフトアップして加速が鈍った瞬間、背後に居たアロンソが抜いていったプレーに対し、審査委員会はペナルティー対象として動いた。
F1競技規則39条レースの第1項には「レース結果に影響を及ぼすチームオーダーは禁止される」とだけ書かれてある。ここには具体的なチームオーダーの定義はなく、またどういった順位操作プレーが審議対象になるのかも言及はしていない。あくまで“レース結果に影響を及ぼす・・・”という、他のレギュレーションにくらべてやや曖昧でファジーな文言だ。
今回のケースはフェラーリ・チーム内の無線会話内容がオンエアされ、誰が聞いても分かる“状況証拠”が残り、事態は大問題に広がった。
競技中の選手と、采配する側(ベンチ、ピット)のやり取り、会話、私語なども含めて全てオープンにされるプロスポーツはあるだろうか?
たまたまこのドイツGPからチーム無線会話が“全面公開”とされた。野球、サッカー、バスケット、何でもいいが団体競技(チームスポーツ)では真剣なプレーの最中には人に聞かれたくない言葉や、汚いフレーズも飛び交っている。それは勝負がかかっていればこそである。がそれらをF1では全て公開することにした。僕個人的には覗き趣味というか、盗聴マニアっぽくて賛成しかねる(いままでのように一部公開はあっていいと思うが)。
そうするからにはトップチームだけでなく下位チームも誰も彼も均等に扱い、たとえばこのGPではどこのチームとドライバー何人をピックアップするとか、それで十分このスポーツのリアリティーを見る側に伝えることは可能だろう。
公開される無線会話でこれから奇妙な暗号的フレーズ、あるいは英語ではない言葉を使う手段がとられるに違いない(もうすでにそうしているチームも多い)。

翻って“レース結果に影響を及ぼす”行為は、いくらでも拡大解釈できる。スタート直後からの同チーム2台間の追い越しプレーも、見方しだいでどれも“レース結果に影響を及ぼした行為”にとれる。いまのは故意に抜かせた、いや実力で抜いたのだと、奇妙な言い争いにもなりかねない・・・。
39条1項にかかわるペナルティーを回避するのも簡単なことだ。ピットインで故意にタイムロスさせるとか、コース上でわざとオフラインに入ってハーフスピンするとか、いくらでも手口は考えられる。――しかしうがった見方でこうしたことばかりを気にしてレースを見ていたら、モータースポーツそのもののリアリティーは吹き飛ぶ。それこそ茶番だ。
自分は現行の「チームオーダー禁止ルール」そのものに無理があると考える。チーム内で選手権下位の者がたまたま前に出ても、後ろに選手権上位の者が迫っていて、しかも明らかに速いのであれば、順位を明け渡すのはまっとうなチームプレーだ。そのドライバーのフェアプレーになろう。だがどうしてもそれを拒み、エゴを貫きたいのならそうすればいいことだ。そうした者はいずれ孤立し、去っていくレース人生で終わった例が多い。シューマッハに譲り、ライコネネンに譲られた経験があるマッサは、現役ドライバーの中で最もよく“チームオーダー”の内情を知っている男だ。あそこで潔く譲っていなかったら、マッサは2位どころかアロンソ、ベッテルの攻撃に遭い無理してスピンして終わっていただろう。
つまりチームオーダーによってマッサのプライドも守られ、フェラーリは通算81回目1-2フィニッシュを達成し、チャンピオンシップ終盤につないでいくことができたのだ。
「君はよくやったぞ!」
担当エンジニアの一言にはいろいろな意味があった――。

2010年08月26日

真夏の2連戦パート2 ハンガリーGPはレッドブルのためにあった!?

ホッケンハイムからいったんレンタカー、オペル・メリバで月曜日にパリまで550kmを走って戻り、水曜日午後フライトでハンガリーのブタペストへ。2時間少々で到着、今度の足は初めてのチェコ製のシュコダ・ファビオという小型セダンだったがギア操作がとても滑らか。一昨日まで乗っていたオペルよりも好感が持てた。

ハンガリーGPはまるでレッドブル・ルノーのためにある第12戦となった。僕は主にセクター1と3を見に行ったが、軽快なコーナリングに無駄な滑りは全然なく、ニュートラルステアを常に維持できていた(乗りやすそうだなあ~と山本左近君と意見が一致)。路面状態が日ごとによくなっていくハンガロリンクで、彼らは正確に0.4秒ずつ短縮、FP1と2はS・ベッテル、3はM・ウェバーが交互にトップ。先週勝って乗り込んできたフェラーリ・F・アロンソは手も足も出せず、その速さに脱帽だった。

パドックではこのショッキングな速さに、今度は彼らのフロントウイングへの“クレーム発言”が流れ出した。コーナリング中に風圧によって低く垂れ下がり、路面との隙間が減って空力効果を高めている、という“指摘”だ。ウイング類には静止した状態での強度基準が定められていて、レッドブルはもちろんパスしている。しかし他チーム(特にマクラーレン)が騒ぎ出したのを受け、FIA側はフロントウイングの強度測定基準を新たに変更することを明らかにした。より丈夫なものにしなくてはいけなくなり、これはベルギーGPから採用されることになっている。

この騒動に関して、僕は昨年からレッドブルだけが高速コーナーでフロントウイングをぶるぶる振動させていて、取り付け部分に不具合でもあるのではと何度も思った。コースサイドで見ていると、しなるというか、垂れ下がるというか、フレキシブルというか、表現方法はいろいろあるが、僕はなにかそこに“シークレット”があるのではと、ずっと疑問を抱いていた。その件が最近になって表面化してきたのは、カメラにこの振動する瞬間の画像が載ったからなのだが、実はもっと以前からいわゆる「フレキシブル・ウイング」を彼らは試し、その効果を確認テストしていたと僕は推察している。めったにコースに出ていかない人々たちには、なかなか気付かれないことではあるが--。

レースはウェバーが逆転勝利、これでシリーズの首位に立った。この4勝目は一味違う内容で、ピットインを先送りしながらオプションタイヤでリードタイムを稼ぐ力走に、彼の気迫が見て取れた。タイトル争いに賭ける意欲がむき出しだった。
 一方、今季7回目のPPを獲得したベッテルは“勝てるレース”をまた落とした。ウェバーとは対象的だ。敗因はセーフティーカ―退去時に車間距離を開けすぎ、隊列を乱したためにドライブスルーのペナルティーを喫したからだ。こういう負け方は、あとまで悔いが残るからよくないことだ。以前にも指摘したがベッテルの天敵はSC、これが現れると“天才”は自分のリズムを崩してしまい、ミスが多くなる。今回はルール上の問題だが、彼は「なぜ自分がペナルティーなんだ!?」と感情的にもなっていた。これでは、ライバルたちに弱点を見せることになる。終盤戦、SCがどれだけ出るか、その時ベッテルがどう対処できるかに彼のチャンピオンシップがかかっていると言ってもいいだろう。

もう一つ、M・シューマッハの幅寄せ事件について。断然速い後方R・バリチェロをブロックしようとする彼がピットストレートで演じたあのプレーは、最近のF1基準からすれば「相当厳しい」と言わざるを得ない。しかし15年前、90年代にはああいうプレーはよくあったこと。相手のバリチェロはそんな時代に生きてきたひとりであり、抜くか抜かせないか、食うか食われるか、シビアな時代を二人は体験している。バリチェロが昔チームメイトだったからああいう行動をとったというより、お互いベテランであるから咄嗟に昔のように“ワンポジション“へのこだわりを見せたのだろう。シューマッハ基準と今のF1基準の相違が“事件”へと発展した。

あとでG・ベルガ―も僕の感想と似た趣旨の発言をしている。昔はセナ、ピケ、マンセル、ベルガ―だってシビアなブロックを演じ、シューマッハもそうだった。ただし、現代F1基準があれを“次戦10グリッドダウン・ペナルティー”相当と認定、審査委員会が断罪したからにはシューマッハは従うべきであり、また今後、彼らは誰に対しても同様に対処すべきだ。

ほかにもこのレースではペナルティーが多数科せられた。R・クビサへの“10秒ストップ”、ルノーとメルセデス・チームに“罰金5万ドル”、ピットレーンでの混乱責任を厳しく追及されたのだ。やや乱発ぎみだが今後への戒めと僕は理解する。

真夏の2連戦を終えてプレスルームを離れたのは深夜12時ごろ。ひんやりした冷気のなか、市内ホテルに帰りもう一仕事、ルームサービスがなく残業めしはカップ焼きそばと地元のワインを。物足りないが我慢がまん、明日月曜日にはパリ経由で機内1泊、火曜日には日本に着く……はずだったのが、パリで成田行きフライトが欠航となって12時間遅れの火曜日昼出発に。用意された空港内ホテルで着の身着のままで1泊、ゲートでばったり会った小林可夢偉君と一緒に水曜日早朝にやっと成田に着いた。ブダペストを出てから2泊3日、真夏2連戦の旅路はちょっと長かった。

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